待つということ
市場におけるトレンドは 、その市場に参加する投資家の集団心理によって形成されます。
そのため一旦形成されたトレンドは 容易に転換せずそのトレンドを継続しようとする力が働きます。
市場の価格変動は常に上昇と下落を繰り返し、 そこにはある一定幅の反対方向の値動きが形成されています。
上昇トレンドの中にも下落による押しが形成され、下降トレンドの中にも上昇による戻りが形成されるのです。
一般的にトレンドに逆らうようにして起こる反対方向の値動きを「調整波」と呼び、 過去の相場の中にも調整波の幅を確認することができます。
相場の中で調整幅を表す言葉として3分の1押し(戻り)・半値押し(戻り)3分の2押し(戻り)といった言葉がありますし、そこには確率的な偏りが確認できるのです。
フィボナッチリトレースメントの押し(戻り)とはイタリアの数学者のレオナルド・フィボナッチが発見した不思議な数列による押し(戻り)の割合のことであり 38.2%・50%・61.8%という数字が代表的に使われます。。
100pipsの上昇に対して38pipsの下落や 62pipsの下落を見せる可能性があるということです。
ここで言いたい事は 、目の前で起こっている上昇において一旦下落調整が始まった際に「38.2%の下落が起こるのか あるいは61.8%の下落が起こるのかを予想しましょう」ということではありません。
上昇した相場は いずれ何らかの幅の下落を開始する可能性があることを知り準備する事は大事だという事です。
市場における上昇と下落のバランスは、 市場の取引のしくみによる結果であり、買いトレードを行った方は 必ず売りでトレードを終え、売りトレードを行った方は 必ず買いでトレードを終えるから発生するのです。
市場にはさまざまな期間・値幅での値動きが存在し、いつかそれがバランスを保とうと動きはじめます。
それが一対の上昇・下落となって価格変動を作るのです。
一方向の値動きが是正され 、ひとたびバランスを取る値動き(調整波)が形成された時、 その上昇(下落)は現在のレベルでは終わらないかもしれません。
このことは時間軸の長短に関わらず、値動きの中において 必ず確認される動きなのです。
上昇と下落は 大小さまざまなバランスをとっているのです。
相場に存在する大小さまざまな上昇と下落の価格変動のバランスがどの様な規模のものなのかを 想定していくことは十分に可能です。
トレードにおいて大切な事は 今からエントリーするトレードが、どのような値動きの中から利益を上げようとしているのかというシナリオを明確にすることです。
そして 意に反して反対方向の値動きが起こった際にどのような損失を被るのかを知り 、コントロールしていくことです。
最終的に目指すポイントは「利益の合計>損失の合計」という状態であるという事です。
それらの事を知った上でトレードし、次なるトレードを準備していく事が大事なのです。